講師の見分け方
3時間目『講師の見分け方』
講師の善し悪しが、その塾の善し悪しを決めると言うのは、当然の事です。 ですから、講師の善し悪しを見分ける事が出来れば、その塾の善し悪しはほぼ分かると言って良いでしょう。 しかしながら、これを見分けると言うのがとても難しい。 塾というのは特殊な環境なので、通常の社会の善し悪しでは判別しきれない部分はあります。 例えば例をあげましょうか。 私が働いていた教室の講師に、どうにも見てくれの良くない講師がおりました。 髪の毛はボサボサ、ワイシャツははち切れんばかりですし、背広はしわが入っている事も珍しくありません。 一社会人として、いかがかとは思います。 流石に注意して、少しはマシにしてもらいましたが、なんとも言えない空気が体中からにじみ出ています。 しかしながらこの講師、子供からは絶大な人気がありますし、授業内容も充実しており、担当クラスの平均点は常に学年平均を上回っていました。 この講師は、良い講師でしょうか?それとも悪い講師でしょうか? というように、非常に良い講師を見分けると言うのは難しい作業です。 では、どうすれば良いのでしょうか。 難しいで終わっていたら塾(サイト)の意味がありませんので、いくつかポイントをお話しいたします。 まずは、大きな・良く通る声が出ているかです。 アルバイト講師などに顕著ですが、自信の無い講師は声が小さくなりがちです。 自身が無いという事は、その指導内容をしっかり理解していないという事ですし、なにより今の指導で生徒の成績が上がるかどうかを確信できていないという事です。 その自身の無さは、生徒に伝わります。 すると生徒はあまり内容を聞かなくなります。 次は、生徒を見て話を出来ているかどうかです。 教科書や、レジュメを見ながら授業をしている先生がいないでしょうか。 板書をしている時、朗読をしている時以外は、生徒の方を見て話をするのが、指導の原則です。 自分の指導内容が生徒に伝わっているのかどうか、講師は常に意識をしていなければいけません。 もしそう言った事が出来ていないなら、それは内容が素晴らしくても、独りよがりの授業になりがちです。 生徒が分からなくて不安な顔をしている時は、再度ゆっくりと説明したり、説明の仕方を変えたり、臨機応変な対応が必要なのです。 最後は、ノートをとらせているのかどうかです。 ノートを取るのは面倒ですが、取らせるのはもっと面倒です。 塾の授業というのは、学校の授業に対して常に授業数が少ないですから、かなり密度の濃い内容にならざるを得ません。 その中で生徒にノートを取らせるために時間を取るのは、非常に面倒な事なのです。 ともすれば、プリントに記入させて終わらせようとしたり、教科書やテキストにポイントを書きこんで終わりにしてしまいます。 しかし、それは本当は、講師の力不足以外の何物でもないのです。 ノートをとる学習は補助教材に書きこむ方法に比べて、授業中に記憶が定着するという意味で優れています。 また、ノートを使った勉強を身につける事は、他の勉強にも良い影響を与えます。 殆ど全ての勉強はノートと教科書がベースになるからです。 講師のスキルとして見ると、ノートを取らせるには、指導している内容がコンパクトにまとまっていなければいけません。 量が多ければ生徒が板書をしている時間が足りなくなるからです。 それだけコンパクトにまとめられているという事は、生徒も覚える内容が少ない、効率的な勉強が出来ると言う事になります。 以上が出来ていれば、講師としての基本的なスキルは持っていると思われます。 また、講師そのものを見るわけではありませんが、必ず指導を受けている生徒も見るようにして下さい。 生徒が集中して勉強しているようであれば、その講師は生徒をコントロールできているという事になります。 これは場合によりけりで、たまたま指導している生徒が真面目なだけという事もありますので、確実な方法ではありませんが、チェックするのが簡単なポイントです。 生徒は自分を助けてくれる講師に対しては、意外なほど素直に言う事を聞くものです。 生徒をコントロールするのは、スキルではなく、生徒から信頼感を得ているのかどうかという事なのです。 信頼を得ているという事は、必ずとは言いませんが、しっかり指導出来ているという事でしょう。 上記のようなポイントで講師を見定める事が重要です。 どうでしょうか、『賢い塾の選び方』『正しい塾の選び方』が分かってきたでしょうか。 では、次の授業では、講師の元締めである『教室長』について、お話いたします。 引き続きよろしくお願いいたします。 |